センター長のあいさつ
あいち小児保健医療総合センターは2001年の開設以来、「子どもが中心」の医療を掲げ、保健と医療を統合した小児専門施設として発展してまいりました。病院部門は、小児科・小児外科を筆頭に、産科・婦人科を含めて32診療科を標榜する、いわば「子どもの総合病院」です。ここに保健部門が合わさることで、「子どものための総合センター」として活動しています。
すべての診療科・部門が当センターの強みですが、なかでも愛知県唯一の小児救命救急センターであることは大きな特色です。ERが診療の窓口となり、重症例はNICU・PICUで全身管理を行いながら、各診療科が専門性の高い治療を担う体制を整えています。また、周産期部門の充実により、胎児診断から出生直後の集中治療、さらにそこから続く高度な専門的治療まで、切れ目のない医療を提供できる体制を整えています。同時に、子どもによくある一般的な疾患に対しても、安全で質の高い、そして安心できる医療を丁寧に届けることも大切にしています。高度専門医療と日常的な小児医療の双方を高い水準で維持することこそが、地域に根ざした小児専門病院としての責務であると考えています。
一方で、当センターには設立当初から変わらぬ「病院らしくない病院」というコンセプトが通奏低音のように流れています。正面入口を入ると広がるアトリウムは、まるで遊園地のエントランスのような空間です。スタッフは白衣を着ていません。子どもと話すときはしゃがんで目線を合わせます。廊下やエレベーター、手術室や検査室では、さまざまなキャラクターたちが出迎えてくれます。医療保育士(ホスピタル・プレイ・スペシャリスト)や多くのボランティアの皆さんとともに、入院中であっても子どもらしい生活が送れるように工夫しています。これらの取り組みは、治療を受ける子どもたちの不安を和らげるだけでなく、ともに来院されるご家族の緊張や心配が少しでも軽くなることも願って続けています。
少子化が急速に進む社会の中で、子どもの保健・医療を取り巻く環境は大きく変化しています。医療資源の集約化や地域医療機関との連携強化は避けて通れない課題です。当センターは、愛知県内の医療機関や関係機関とも緊密に連携し、地域全体で子どもを支える体制づくりを推進してまいります。そして、医療の質の向上だけでなく、教育・研究にも力を注ぎ、次世代の小児保健・小児医療を担う人材の育成にも積極的に取り組んでまいります。
子どもは社会の未来そのものです。その健やかな成長と可能性を支えるために、職員一同、誠実に歩みを重ねてまいります。
2026年2月1日
あいち小児保健医療総合センター
センター長 村山 弘臣